退職したら保険の切り替えを!
国民保険と任意継続、迫られる選択!
私が勤務していた出版社は出版健保に加盟していたため、出版健保から保険証が発行されていた。会社員時代、保険料は毎月の給料から天引きされているので、金額などを細かくチェックすることはほとんど無かった。それゆえ、あまりの無知な自分に愕然とすることとなった。
会社を辞めてフリーランスになるなら市区町村が運営する「国民健康保険」(以下、国民健保)に切り替えるしかないと思い込んでいたが、実は社会保険の「任意継続」という方法もあるらしい。これは会社在籍時に加入していた社会保険を、最長2年間継続できる制度だ。
どっちを選べばいいのか? もちろん保険料が安い方を選んだ方がお得だが、加入者の前年度の収入や計算方法が異なるため異なるため、一概にどちらがいいとは言えないらしい。
国民健保の参考保険料が計算できる便利なサイトを見付けたので、ぜひ活用して頂きたい。
任意継続の保険料は、会社員の時は会社が半額負担してくれていたが、退職後は全額自己負担となる。給与明細に記載された健康保険料の2倍が目安と考えればいい。
これでおおよその保険料が比較できる状態になった。続いて「国民健保」「任意継続」のそれぞれのメリットとデメリットを調べてみた。
国民健保のメリットとデメリット
<メリット>
■災害、失業、倒産によって保険料の支払いが困難になった場合、保険料の減免制度がある……ということだが、個人的には今すぐ影響があるメリットというほどでは無いように感じた。
<デメリット>
■国民健保は加入者の前年度の年収で保険料が決まる。給料をたくさんもらっていた人が国民健保を選ぶと、退職後1年目の所得が少なかった場合でも、前年度所得に見合った保険料を支払わなければいけない。
■国民健保は扶養者という考えがなく、世帯毎の加入人数で計算する。よって今まで奥様や子供を扶養家族に入れていた場合、国民健保に切り替えるとそれぞれに保険料が掛かる。そのため、扶養者が多いほど保険料が割高になる傾向にある(ただし上限あり)。
<手続き方法>
国民健保は各市区町村が運営しているので、市区町村役場で手続きをする。「資格喪失証明書」「印鑑」「本人確認書類」(免許、パスポートなど)を持って、役場の「保健係」窓口に行く。
任意継続のメリットとデメリット
<メリット>
■会社に在籍していた時と同じ給付内容を受けることが出来る。
■国民健保は前年度の年収で保険料が算出されるため、給与が高い人ほど任意継続の方が国民健保よりも割安になる場合がある。
<デメリット>
■原則として保険料が2年間変わらない。
■一度、任意継続を選択すると、2年間、国民健保への変更や家族の扶養に入ることが出来ない。
■滞納に厳しく、1日でも滞納すると即失効となる。
■退職日の翌日から20日以内に手続きが必要(厳守)。
<手続き方法>
退職日の翌日から20日以内に、保険証に記載された保険運営者(私の場合は出版健保)に連絡して、手続きを行う。任意継続の場合の保険料なども教えてくれる。
そして私の選択は……?
ズバリ、国民健保だ。なぜなら、任意継続という制度を知らなかったため、存在に気が付いた時には退職後20日をはるかに超えてしまっていた。時すでに遅し。保険料を比較することもなく国民健保しか選択肢が無い状況。ということで、国民健保に加入した。
まず国民健保の手続きに必要な「資格喪失証明書」を郵送してもらおうと出版健保に電話をすると……「まだ会社より退社の連絡が来ていませんので発行できません」と。はぁ〜なんでだ? と色々考えたら、思い当たる節が見つかった。
実は退職してすぐに会社から「保険証を返却して下さい」と連絡が来ていたのに、返却を忘れてしまっていたのだ。これが原因。すぐに会社に送り、数日後にあらためて出版健保に電話すると「本日発行して郵送しますね〜」とあっけなくクリア。
数日後、届いた「資格喪失証明書」そして「印鑑」「本人確認書類」を持って区役所へ。特に区役所で記入する用紙もなく、そのまま窓口へ。係の人も慣れたもので、5分も経たずに「数日後にご自宅宛に国民健康保険証が届きます。支払いの納付書は、保険料が決まってから追って郵送されます」とのことだ。
事前にネットで調べたら、マイナンバーカード、もしくはマイナンバー通知書も必要と記載されていたので持参したが使わなかった。
国民健保への切り替えは「退職後2週間以内に手続きすること」と役場のホームページに書かれていたが、2週間以上経過しても全然大丈夫だった。ただし、手続きが遅れただけで、実際には退職翌日から国民健保には加入していることになるので、保険料はしっかりと払うことになる。万が一の病気や怪我のためにも、退職後は早めに手続きを行うことをおすすめする。
参考までに。退職日は2018年2月15日。区役所で国民健保の加入手続きを行ったのは3月20日。手元に国民健康保険証が届いたのは3月24日。3月31日現在、まだ保険料の通知、納付書は届いていない。
それにしても一番衝撃的だったこと。それは……国民健康保険証が薄い。名刺よりも薄い。ペラペラだ。